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伝統と革新の響き ― パドヴァを代表する現代の名匠、Alberto Cassuttiによるヴァイオリン「Guarneri del Gesu-Ysaÿe」モデル

· シレーナ情報,楽器,バイオリン

新作バイオリン入荷のお知らせです!

今回のバイオリンは2023年に製作依頼をし、2年越しで入荷となったバイオリンです。代表の茅根と同じくパルマのRenato Scrollavezzaの下で学び(時期は異なります)、現在はPadovaにて活動をするAlberto Cassuttiによるグァルネリ・デル・ジェズ “イザイ” をモデルとしたアンティークコピーです。彼の紹介と合わせて楽器の紹介もしていきます。

-Padova

パドヴァといえば、ヴァイオリニストでもあり作曲家のタルティーニが有名ですね!
彼は「悪魔のトリル」で有名で、長年パドヴァのサンタントニオ聖堂でコンサートマスターを務めてました。また、自らの音楽学校を設立し、ヨーロッパ各地から学生が集まるほどの教育者でもあり、タルティーニはまさに「パドヴァを代表する人物」と呼べるほどです。

-Alberto Cassutti

2019年、イタリア・セストフィオレンティーノで開催された国際弦楽器製作コンクールにおいて、アンティーク仕上げのヴァイオリン部門で金賞を受賞した Alberto Cassutti(アルベルト・カッスッティ)
製作家としての確かな技術と、名器修復の豊富な経験を併せ持つ彼は、現代イタリアを代表する弦楽器職人の一人といっても過言ではないと思います。

SFVではこの度、2023年に製作を依頼し、2025年6月に完成した、彼の渾身のヴァイオリンをご紹介いたします。

- グァルネリ「Ysaÿe」モデル

このヴァイオリンは、名ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイ(Eugène Ysaÿe)も愛用した

グァルネリ・デル・ジェスによる1740年製のヴァイオリン、通称「Ysaÿe(イザイ)」と呼ばれるヴァイオリンをモデルとしています。
Albertoは、名器研究と修復で培った知見を活かし、現代の演奏家にふさわしい形で見事に再現してくれました!

外観にはアンティーク仕上げが施されていますが、エッジを極端に薄くしたり、あるいはペグ穴を埋め直したりといった行き過ぎた加工は一切ありません。
そのため、見た目には古さを感じさせつつも、新作ならではの健全なコンディションが保たれています。

-音と響きの特長

豊かな倍音と深みを併せ持つ音色です。

- 略歴

パルマの弦楽器製作学校で

Renato Scrollavezza に師事、2004年卒業。(代表の茅根の兄弟子にあたる)

パドヴァのGiovanni Lazzaro 工房、ロンドンの Bridgewood & Neitzert、Florian Leonhard にてオールド楽器の修復に従事

Guy Rabut、Hans J. Nebel、Iris Carr といった著名な製作家や修復家のもと、さらなる研鑽を積む

- 受賞歴

2019年 ANLAI(イタリア弦楽器工房協会)の国際コンクールにてアンティーク部門金賞(ヴァイオリン)、銀賞(ヴィオラ)を受賞。また同時に、特別賞としてBBC Pontassieveのパーソナリティ賞も受賞しています。※この時のコンクールでは日本人製作家の高橋明氏や根本和音氏も金賞を受賞している。(該当の結果発表を報じるサイトでは誤字により、正確な綴りでの紹介がされていないため注意)

製作と修復の両分野を往還しながら得た知見は、「楽器が時間とともにどのように響きを育むか」という理解へとつながり、新作にも活かされています。

この 2025年完成「Ysaÿe」モデル・ヴァイオリン は、彼の経験と哲学が結晶した一本です。
名器への深い敬意と現代の演奏家に求められる性能を見事に融合し、外観・音色・コンディションのすべてにおいて高い完成度となっています。

ぜひ店頭にて、その響きをご体感ください!

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